19の夏~私の愛した殺人鬼~

☆ ☆ ☆

 どこか、遠くの山で猫が鳴いた。


 新田はその鳴き声で窓の外を見やり、それからすぐにパソコン画面に注意を戻した。


 検索、《オルフェウス》


 検索結果、《ギリシャ神話の音楽の神》


 画面に流れる文字を目で追い、最後の方の文面で眉を寄せてカーソルを止めた。


「女に体をバラバラに切断され川に流された……」


 そこにはオルフェウスの悲惨な最期が記されていた。


どうしてだ?


 画面を睨みつけるように凝視しながら、疑問が頭をもたげてくる。


なぜ残酷な運命を辿ったオルフェウスの名をわざわざ語るのか。


 調べているのはもちろん、幸也のサークルのリーダーのことだ。


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