【続】幼なじみは俺様王子。
一体なんなのよ……
不思議に思いながらも、携帯を握りしめたままドアへ向かう。
――ガチャッ
ドアを開けると、目の前の自動販売機に楓がもたれ掛かっているのが目に入った。
「……穂香」
顔を上げた楓が妙に色っぽく見えて、胸がドキンと音をたてる。
少し濡れた半乾きの前髪の隙間から、ブラウンの瞳があたしを捉える。
「急にごめんな」
ふわりと香るシャンプーの香りがあたしの鼻先をかすめて、なんだかくすぐったい。
「大丈夫だけど……どうしたの?」
胸のドキドキを抑えながら言葉を発したあたしに楓が小さな袋を渡した。
「これ、お前に」
「ん? なにこれ……」
楓から受け取った小さな袋の中身を、そっと覗く。
「これ……」
「腹、減ってんだろ?」
顔を上げたら、すぐ真上に微笑む楓の姿があった。
「これ食って、早く寝るんだぞ? 明日も朝早いんだから」
「えっ、楓……」
「じゃあな」と背中を向けた楓の手を掴んだ。