春夏秋冬
私は、何も分かっていない優さんを拒絶し、少なからず傷付けたのに、優さんは何もなかったかのように自然に接してくれる。
今までの人は離れていくのに…。
「ありがとう…」
ぬいぐるみを取ってくれた事だけではなく、桜は優さんの心にもお礼を言った。
「優ちゃん私にも取ってー。綾さんじゃ取れなくて」
「ああ、いいよ」
そして優さんはいつきちゃんとその場を離れて行く。その後に美佐が満面の笑顔を見せた。
「ね?優なら大丈夫でしょ?」
「ええ…」
その時、何故か分からないが、桜の目から涙が溢れた。
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