ロールプレーイング17
「何だよそれ、、。」
僚介は、それを理解できないようだった。
「数字の一、それを漢字で書いてはじめって読むんだ。」
僕は僚介にそう言った。
「簡単でいいな、俺なんてガキの頃、なかなか自分の名前漢字で書けなくて苦労したんだぜ。」
僚介は、そういいながら、自分の手のひらに自分の名前を指で書いて確かめていた。

「けど、、、〝一〟ってすごくいい名前だな。」

僚介は、ますっぐ僕を見つめながらそう言った。
初めてのことだった。そんなこと言われたの。
 
 その時また、僕の中の直感が働いんだ。少なくても僚介は、この僕にいい影響を与えるんじゃないのかなって。




「なんかちょっと腹へらないか?」
 僚介は前触れも無くそう言った。
 僕は腕の時計を見た。デジタルの文字盤は12:05を刻んでいた。もうそんな時間だったのか、見上げると太陽は僕らを真上から見下ろしていた。
「一も、もし腹減ってたら、ちょっと飯でも食いに行かないか?」
 今知り合ったばかりのヤツといきなり飯を食うなんて、そんな合理性の無い行動、かつて僕は取ったことがあっただろうか、、、そしてこれからも、、これがもし最初で最後の橋だったとしても。きっと僕は渡っていたと思う。答えはもう、ここにあったから。 
僚介は、安くていい店を知っているといった。そして僕らは駅の東口に続く道を歩き始めた。
< 12 / 110 >

この作品をシェア

pagetop