♂GAME♀
扉を開け、一番に感じたのは目が眩む程の光。

大きな窓から差し込む太陽の光の中に、一人の人物が見えた。

眩しくて顔が見えないけど、この人が輝の……?

『大きくなったね、輝くん』

シャッと音をたて、ブラインドが下がる。

ようやく見る中林さんの顔は、優しげに微笑んでいた。

『10年ぶり……くらいかな?』

少し他人行儀。
会わない時間が長いからかな。

『お……お久しぶりです』

輝も何だか緊張してるみたいだ。

『疲れただろう? 適当に座ってくれ』

柔らかそうなソファーに、美味しそうなお茶とお菓子。

今さらだけど、本当にあの中林社長なんだって実感する。

だってこのチョコレート、とっても高そう。
パッケージも英語?なんだもの。

『驚いたかい? こんなにも身近に父がいて』

み、身近!?
全っ然近くないですけど!

『それにしても、マスコミに対しての態度は格好よかったなぁ』

ははっとはにかんだように笑う中林社長。
それは、輝の照れ隠しとまるで同じで、正直ドキッとした。

今まで気付かなかったのが不思議なくらい似てる。

『ところで、カメラ越しに私にメッセージを送っただろう? その「聞きたい事」は何かな』

こういう所もそっくりだ。
優しい笑みから意地悪な笑みに……

表情がよく変わる。

『何? 本人を目の前にしたら言いにくい?』
『……あの』

動揺からか、ずっと黙っていた輝が促されるようにして、ようやく言葉を発した。

『俺は…… どうして生まれたの?』

自分の欲しかった「答え」を求める言葉を……
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