♂GAME♀

『ありがとうございました〜』

うふふ。
いっぱい買っちゃった。

輝のお金で……

『どうせ返さないだろうと、期待しないで待ってるよ』
『失礼ね! 借りたものはちゃんと返すよ!』

ただし、分割だけどね?


『でも、まぁ。 全部似合ってたからいいけどね』

大きな紙袋を肩にしょい、笑顔を見せる輝。
その不意打ちの口説き文句に、何だか顔が熱くなる。

人をさらりと褒められるのは、きっとホストとしての職業病。
でも、わざとらしくないから、結構嬉しかったりするんだよね……

ヤバイヤバイ。
ここ最近は、ナンパも無かったから、変に顔が緩む。
男に縁のない女みたいだ。

『ははっ、顔、めっちゃキモイ!』

って、笑うなぁ!!

『嬉しい時は笑えばいーじゃん! そんな堪(コラ)えた顔しなくても』
『うー……』
『ほら、笑え』

……そんな事言われても、今頃になって笑えないよ。

そりゃさっきは、嬉しくてニタニタしちゃったけどさぁ。

『綾香、綾香』

と突然、名前を呼ばれ、ふと顔を上げる。
すると視界には……

『ぶぁははははっ!!』

両手を駆使した、輝渾身の変顔。
もう、人間じゃないみたいな変な顔だよ!

『綾香ちゃ〜ん』
『恐ッ! あんま近づかないで〜』

まるで妖怪みたい。

ってか、かりにも3位以内に入ってるようなホストが、こんな顔しちゃ駄目でしょ!

でも、最高に可笑しい。

『やっぱ可愛いね。 綾香は笑顔が……』
『……へ?』

何よ何よ。
急に真面目な顔して……

『あんたの顔が可笑しいからだよ……』

調子狂うっての。
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