ボクは誰?

大貴との会話

あの電話から数日して、

大貴から呼び出された。


「史佳と何かあったか?」


誰もいない廊下で、

大貴がいきなり切り出した。

ボクは何を答えればいいか、

わからなくて黙っていた。


「史佳な、昨日電話があったけど、泣いていたぞ?」


そっか。

大貴と史佳は電話で話すまで、

仲良くなれたのか。


史佳の気持ちを思うと、

嬉しい反面、

何だかすっきりしなかった。


「俺はお前たちに何があったのか、わかんねーけど、史佳を泣かすなよ。」


「大貴、史佳を頼むよ。」


それだけ言って、

ボクは走ってその場から去った。


「おい!待てよ!」



大貴が大声で、

ボクを引き止めたけど、

二人の邪魔をしたくなかったから、

もう、

これっきりでいいんだ。





でも、

なぜ心がもやもやしているんだろう?




< 78 / 406 >

この作品をシェア

pagetop