好きを私にください。
・。+* 和樹 *+。・


明海の寝顔を見る。


微かに苦しそうな表情を見せる。

無理も無い、塾じゃあんなんだ…。


なかなか噂たってるしな…。

俺も叩かれるのかと思いきや、叩かれんのは明海だけ。


しかも小1から中3まで幅広くだ。

まぁ小1辺りは…噂を聞いててもわけ分からんって顔してるけど…。



これほどのマイナス思考じゃ周りの目も気になってんだろうな…。

先生たちの目とか、塾生の目とか。


まぁしょうがないんだけどな。

コイツがマイナス思考なのは…。


「たく、なんでアンタはそこまでマイナス思考なんだよ…?」


眠る明海に思わず問いかける。


バカだろ、疲れるだけじゃん…。

現に最近よく“疲れた~”って言ってるし。


もうちょっと気楽に過ごせっての。


塾の先生たちの目なんか気にしなきゃいいのに。

気にしてんのバレバレだし。



気になって今日は思わず泊りに来たけど…来て正解だったな。

溜め込むタイプだな、コイツ。



「先生…。」



滅多に寝言を言わない明海がそう呟いた。


その表情は柔らかで。

アンタが幸せならなんでもいいけどな…。



そう思いながら眠りについた。



だけど

幸せは長くは続かないもんだ…。


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