好きを私にください。
・。+*+。・


-リビング-


明海の母親が食卓に腰掛けすすり泣いていた。

その向かいには明海の父親が気まずそうな顔をしていた。


「嘘でしょ…?」


そう呟く明海の母親。


「…。」

「明海にどう言えばいいの…。」

「…亮には、俺が言う。」

「またそうやって簡単な方ばかり…!」


でも、今明海は父親の事が嫌なはずだ。

その事を思い出し、明海の母親は自分から明海に告げることを決めた。


「…新学期が始まったら、言うわ…。」

「…ゴメンな。」

「…いつかはこうなる気がしてた。
もう3、4年先の事だと思っていたけど…それが少し早まっただけ。
大丈夫。」

「2人には辛い思いをさせるな…。」

「亮は…独り暮らしするのかしらね?」

「さぁな…。」

「もしそうするのなら、明海も…。」

「それはダメだ。明海はまだ未成年だし…いろいろ不安だ。」

「…そう…ね。」


すでに、運命の時は迫って来ていた。



それは、誰もが予期せぬ出来事だった…。





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