不器用なシタゴコロ

「でもさぁ、ケータイなくすとかなり困らない?」

「…だよねぇ」





ティールームは。

雨降り、しかもお昼過ぎにも関わらず。

客入り上々だった。





私と沙保は。

窓際のテーブル席に案内される。





「仕事も友達も全部ケータイだもん。なくしたら誰とも連絡とれなくなっちゃう」





メニューを広げながら。

ため息をついた沙保が言う。





「今頃気付いて焦ってるかも」

「だねー」





…早く、彼のところに帰れるといいね…。





私はバッグの外から。

そっとケータイに触れた。





その時。

どこからか音楽が聞こえてきた。


 

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