不器用なシタゴコロ
ブランコに座るとーやクンとの間に。
まるで引力が働いているかのように。
…吸い寄せられるように近づいた。
グイッ。
「…わ…っ」
とーやクンに腕を引っ張られると。
足の間に立たされ、私ととーやクンとの距離が“グッ”と縮まった。
「…“単語”じゃ意味がない。“想い”をのせてそれが伝わらなきゃ…」
腕は掴んだまま。
とーやクンは言葉を続け、私を見上げる。
「…ッ…!!」
前髪から透けて見える切れ長の瞳は。
何かを訴えかけるかのように私を捕えて離さない。
“ドクッ、ドクッ”
心臓が大きく音を立てる。
お酒のせいなんかじゃない。
体が熱い…。