不器用なシタゴコロ

「“もっとして?”って目ェしてる」





“フッ”と口元を緩ませ。

とーやクンは私の頬に手を伸ばした。





…その顔は。

雑誌で見る“モモクン”で。

口元は笑ってるのに。

何かを射ぬくような鋭い目は。

何度も見た、私の好きな瞳だった。





『…“モモクン”…』

「は?」





不意に出た私の言葉に。

とーやクンは。

思いっきり不機嫌そうに眉間にシワを寄せた。





…え?

なんで不機嫌そうな顔なんてしてるの?

ひょっとして、私。

またなにかマズいこと言った?





…でも、思い当たることもなく。

心の中で首を傾げてみる。





…いきなり、なにがとーやクンを不機嫌にさせたんだろう…。





「…あのさぁ…」




とーやクンが何かを言いかけたその時。





ピンポーン。





来客を知らせるチャイムが響いた。



 

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