不器用なシタゴコロ
とーやクンの言葉から。
来客がミズキクンだとわかる。
そういえば。
とーやクンが“モモクン”なら。
ミズキクンはあの時の“瑞希くん”なのかな…?
“う〜ん”と小さく伸びをすると。
またソファーに寄り掛かり。
水滴だらけになった飲みかけの缶ビールに手を伸ばした。
「…ちょっ、ミズキくん?!」
ビクッ。
いきなり大きくなったとーやクンの声に。
ビックリして手を引っ込めた。
『ど…どうした…の…ッ?!』
「絶対声出すなよ」
『はッ?!』
さっきの不機嫌な顔より怖い顔になってるとーやクンは。
座っていた私の腕を引っ張り。
隣の部屋に押し込んだ。
『ちょっ、とーやクン?!』
「絶ッ対に音とか立てんな。
耳も塞いどいて」
わけもわからず部屋に押し込まれた私に。
リビングとの間の戸を閉める間際。
とーやクンがものすごく低い声で言った。