不器用なシタゴコロ

…一体、なに…?

さっぱり理解ができないんですけど…。





いきなり押し込まれた暗い部屋には。

薄いカーテン越しに月明かりが差し込んでくる。





“音たてるな、耳も塞げ”って…。

…ミズキクンが来たんだよね?

私がいたらマズい話?

耳を塞がなきゃならないほど、大事な話…?





ガチャ、と音がして。

リビングに入ってきた足音が聞こえた。





「あれ?モモひとり?」

「…ココ、俺んちだし」





その声は。

戸越しにもわかる。

ミズキクンだ。





「てっきりゆずチャンと一緒かと…。
てかまだ帰ってきてないと思ってた」

「…そう思うなら来ないで…」





え?私?





ミズキクンの口から出た“ゆずチャン”。

呆れたようなため息混じりのとーやクンの声。





…耳を塞げって言われたけど。

自分の名前が聞こえた好奇心には適わない。





私は。

音を立てないように注意して。

耳を澄ませ戸の向こう側に意識を集中させた。



 

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