不器用なシタゴコロ

ユラユラ揺れる。

車が走る程よい揺れは心地よくて。

エアコンの効いてる車内は。

外の暑さを忘れてしまいそうになる。

微かに感じる芳香剤の香りは。

爽やかなホワイトムスク。

流れてくる音楽は。

私の大好きな2sbBの…。





「…サン」

「…ずサンって」





肩を揺すられて。

重くなったまぶたを無理矢理開くと。

動いていた車は停まっているってことだけわかった。





「…ん…?」





夢見心地だった意識が。

だんだんとはっきりしてくる。

ここは、どこ…?





「車、降りないで一緒に寝る?」

「…ひ、ゃあっ!!」





目の前にいきなり現れたどアップに。

一瞬呼吸が止まった。



 

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