不器用なシタゴコロ
「んなバケモノ見たみたいに驚かないでくれない?」
「だ、だって…っ」
「さすがに俺も傷つくんですけどー」
拗ねた顔してそう言うとーやクンに。
私は何も言えなかった。
だって。
目を開けてあんな整った顔が目の前にあったら。
誰だって驚くでしょ!!
心臓飛び出るかと思ったんだから!!
…なんて。
本人目の前にして言えるわけもなく。
「まぁ、イイモノ見せてもらったし。それでチャラにしてあげる」
「イイモノ?」
とーやクンは。
わざとらしいくらいにニッコリ微笑んだ。
“イイモノ”?
私なんかしたっけ?
頭に“?”を浮かべた私に。
とーやクンが耳元で囁いた。
「寝顔。無防備でめっちゃ可愛かったから」