この隙間、僕の存在。
それからしばらくの間、樹裕が先頭をきり、2人並んで都内にある俺の通っていた高校とは別の公立高校へと向かって歩いた。

「なぁ、樹裕って高校行ってたんだな」
「うん? まぁ、ぶっちゃけテストも内申もかなりギリギリだったんだけどね」

あぁ、そうだろうな。
とは、心の中で呟くだけにしておいて。

その高校、というのもあまり遠い訳でもなく、本当に数分間歩いただけでついてしまった。


「うわっ! すっげー! 懐かしいなぁ」

そこは、俺の通う高校と比べれば、多少偏差値は下がるものの、生徒自体に特に問題があったりするわけでもない、いたって普通の高校だった。

なんて言っても俺だってバスケの推薦のおかげであって、頭であの高校入った訳じゃないけど。

「この校舎、夏生のとこと比べると古いけどまぁ、それなりに愛着はわいてんだわ」

「そういえば、樹裕も高校の時に……だったな」
「ん? あぁ、高2の時にね。それも6年前だし」
「ってことは……7歳俺より上……なんだな」
「えっ。俺ってそんなに歳だったの!?」

天国で過ごしている間自分の年齢について考えたことなんてなかったのか、樹裕は目を大きくして、そう叫んだ。

「時間がたつのって早いんだな……」
「ははは、おっさんじゃん」

俺が笑ってそういえば

「は!? おっさんじゃねーし! 俺リアルで生きててもまだピッチピチの24だし!」

声をはって、それに反発してきた。


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