海風~駆け抜けた青春~
屋上の扉を開ける。
美空は、ベンチに座り、島の方を見ている。
「こっからじゃあんまり見えないし…あたしらの島って、ちっさいんだね。」
遠くで上がる打ち上げ花火。
いつも島で見てるあたし達にとって、それは思いの外小さすぎた。
「ほんと、見た目情けねぇな。」
大地が微笑む。
「島一番の祭って言っても、規模が小さいからな。」
陽も花火を見つめながら笑う。
「あたし達の世界、あの花火に思い知らされたね。」
美空に笑顔を向ける。
「まったく…祭気分がしらけたし。」
美空があたしを見つめる。
あたし達は空を見上げ、思いきり笑った。
この後、美空の両親から話を聞いた。
あたし達に電話を掛けてすぐ、美空は意識を取り戻し、何事もなかったかのように私達に笑顔を向けたのだ、と。