花の名
その感覚は1週間くらい経っても、まだ抜けないまま。
だけど、毎日いろんな彼を見ていくうちに、あたしの心臓は日々ドキドキと聞こえそうなくらい鳴っていく。
ただ笑っただけなのに
ただ触れただけなのに
ただ一緒にいるだけなのに
毎日がすごく新鮮で楽しいんだ。
これが好きっていう感覚なのかな…。
これが恋なのかな…。
だったら嬉しいな。
それで、彼に伝えたいな。
「圭吾?」
いつもの帰り道、彼は誰かに呼ばれた。
あたしも彼と一緒に振り返った。
その先にいたのは、真っ黒な長い黒髪の綺麗な女の子。