花の名
そういえば、彼と初めて話すきっかけになったのは金谷だったな。
1年の最初に、金谷と彼が仲良くなって。
2年で同じクラスになったことから話すようになった。
「そういえばさあ、圭吾と付き合い始めたんだって」
「…なんで知ってるの!?」
まだ金井には言っていないのに知っていたから、あたしはビックリして目をパチパチさせた。
「なんでって、圭吾が言ってたから」
その瞬間、また恥ずかしさがこみ上げて、あたしは下を向いた。
「…いつから付き合ってんの?」
「昨日告白されて、今日返事したの」
「そっか。
まさか千尋と圭吾が付き合うとは」
意外だな、と金谷は呟いた。
あたしだって、まさかこんな展開になるなんて思わなかったよ。
それに実感なんてわかなかった。
彼と付き合ってるっていう。
なんだか不思議な感覚。