花の名
「とりあえず、西浦くんってのはやめて圭吾って呼んで」
「へっ…無理だよ~」
「いいから」
ほら、と意地悪く笑う。
分かっているからやっているんだ。
「………圭吾、くん」
勇気を振り絞って言った。
彼の顔を見ると、真っ赤に染まって口を開けっぱなしになっていた。
初めてみる顔。
…そっか、付き合うってそうゆうことなのかな。
あたしは思わず笑ってしまった。
「なっ、笑うなよ」
「アハハハッ」
真っ赤な夕日を背に、彼の顔がよりいっそう赤くなっていった。