ずっと君の隣で。

出会い


タッタッタッタッタッ

「はぁはぁはぁはぁ…」

黒いアスファルトをを蹴る私の足音とそれに合わせて弾む呼吸がリズムを刻む。

(今日の風は気持ちいいな…)

真っ暗闇を裂いて走る私の体。

一歩一歩踏み出すたびまた体が軽くなる。

歩幅が広くなりリズムも早くなる。

いい感じにジョギングを済ますと私はストレッチを始めた。

「…はぁ……はぁ…」

屈伸をしながら呼吸を整える。

満点の夜空を見上げると、星が落ちてきそうだった。

(もう一本走っとこうかな…)

始める姿勢をとる。

(ようい…)

パァン!

私の頭の中でピストルが鳴った。

タッタッタッタッタッタッ

さっきよりも早いペースで足を前に出す。

やや冷たい風がほほをかすめる。

そのとき、目の前に黒い影が見えた。
< 2 / 10 >

この作品をシェア

pagetop