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「いつもそういうところが引かれちゃって、成功した試しはないんだって。ね、椎?」
これには頷くしかないので、ゆっくり頭を下に下げた。
「私としては、この子の強すぎる気持ちを受け止められる人が現れればなーって思うんだけどね。」
か…かすみちゃん…。
なんていい子なんだ!
私のことをそんな風に思ってくれてたなんて…。
椎、カンゲキ!!
「かすみちゃーん!かすみちゃんは最高の親友だよー。」
泣きながらかすみちゃんに抱きつくと、かすみちゃんは
「椎、恥ずかしいから今はちょっとやめて。」
えっ、いつもなら「ありがと、椎ー。」とか言ってノってくれるのに…。
不思議に思いふと周りを見ると、
私達の席が注目の的になっていて、ケーキを持ってきたお姉さんは困り顔だった。
「すっ…すみません…」
小声で謝り、私はすぐに肩をしぼませ小さくなった。
はっ恥ずかしー!!
そりゃあかすみちゃん、恥ずかしいわ…。
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