最強不良姫 ―黒蝶―
「そうよ。」

その言葉が呟かれた事で、
皆は愛華の方へ一斉に顔を向ける。
「…もしも、卑怯な敵方に“舞蝶を
纏める奴等の母親が妊娠してる”
なんて知られたら…。」
そこで愛華は、口を閉ざした。
「……母さんは、強い。
けど、妊娠してるとなると…。
一人で行動させるのは、危ない。」
潤が愛華の後を引き取って呟いた。
その金色の目は窓から同じ
金色の月を見ている為、
勿論誰にも、その表情は見えなかった。

愛華は潤の話を聞きながら目を伏せた。
長い睫毛が、人には
分からぬ程小刻みに震えていた。
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