最強不良姫 ―黒蝶―
「あんたさぁ…自覚持ちなよ?」
亜由美…。
それは、私がブスだという自覚ですか…!?
いや、持ってるよ!?
…もしかして、私が思ってる以上に私ブス!?
(いい加減にして下さい)
「亜由美、ヒドイよ?」
「…?何がデスカ?私、あんたに
美人の自覚持ちなって言ってんだけど。」
…!?
は!?
え、何!?
何て言った!?亜由美!?
「有り得ないから」
即答する私に、亜由美はため息を吐く。
「あんたって、ホント無自覚だよねぇ…」
「何が。…ホラ、屋上行くよ。」
屋上行くよ。そう言ったのは、
愛華ではあるけど、愛華ではない。
“黒蝶”の“美蝶”であって、
“黒蝶”の“美蝶”でない。
…簡単に言うと、
“愛華”である自分と
“美蝶”である自分の半々ってコト。
…いや、まだ愛華のほうが多いかな?
< 15 / 106 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop