最強不良姫 ―黒蝶―
「…水龍のトップ達って、バカなんだね。」
溜息を吐きながら言うと、
3人はポカンと口を開けた。
「…何よ、その顔。」
そう言うと
「いえ。…ただ、水龍の奴らと
話したのかと思いまして。」
「いや。私は…話したか。
でも、殆ど会話はしていない。
……(ボソッ)自己紹介されたけど」
「何ですって!?」
あ、信哉の↑の声は
お嬢様とかの言い方じゃないからね?
信哉の名誉の為に言っておくけど。
「自己紹介!?総長、自己紹介したんですか!?」
地獄耳?
「してない。
あいつらが勝手にしただけ。」
…誰が水龍達に自己紹介すんのよ。
「…あ、そうなんですか…?」
いきなり声が弱弱しくなったね。
信哉君?
「ええ。」
…つか、お前は過保護過ぎんだよ。
あの時もお前ずっと私に説教してたしさ?
あの時も…。
あ、そう言えばこの時も……。
…どんだけ過保護なんだよ。
過保護は親父とお母さん
(怒ると怖いから今もお母さんと呼ぶ)
とバカ兄貴で十分なんだよ。
…いや、その3人は 
3人揃って過保護過ぎるからな…。
十分じゃなくて、
有り余ってるとでも言っておくか。
……そう言えば、あの時も……。
「…あの、総長……?」
亜由美が躊躇いながら私に声を掛ける。
「ん?何、どした?」
…なんか、男っぽいけど
気にしないでね、いつもの事だから。
「……殺気が…」
え?
…あぁ。無意識に出してしまっていたか。
……だから亜由美の顔が引きつってんのね。
成程。納得。
「…あ。…無意識よ、無意識。」
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