最強不良姫 ―黒蝶―
「愛華、大丈夫なの?」
亜由美が心配そうに顔を覗き込む。
「ん、大丈夫…だと、思う」
そう言いながらも、愛華の顔は
血の気が引いていた。
「愛華、今すぐ病院行こ!!」
「え、いや…良いよ。
……あ、でも信哉が…。」
ここまで来て人の心配。
「俺は大丈夫だよ。
…それより。
重症なのは愛華だろ?
病院、行こう?」
信哉に優しく言われた愛華は、
素直に頷いてしまった。
「…分かった。」
そう言った愛華に、信哉が
優しく微笑むと、愛華も微笑んだ。

それを見ていた皆は
(二人の世界に入ってしまった…)
と、心の中で溜息を吐いていた。
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