”ただ、愛されたかった…”
 圭は、美樹の事を聞いてきた。

 「すごく、可愛い顔してる。性格は、人見知り

 ちょっとあるかな?」

 
 「ふ~ん、可愛い顔って、どんな感じ?」

 圭にそう聞かれて、瑠理は少し考えた。


 「…清楚な感じ…かな?性格はまだよくわかんないんだよね。」

 瑠理は、ビールを片手に考えながら答えた。


 「清楚な感じか…いいね。瑠理とは、ぜんぜんタイプ

 違うんだね。」


 「悪かったね、清楚じゃなくて!タイプだからって

 手ださないでよ!」

 瑠理は、圭をにらんでいる。

 「はい、はい。」

 時間は、12時30分を少し回った所。

 お開きになった…。



 「ただいま」

 瑠理は小さい声でそう言った。

 「おかえりなさい」

 美樹がまだ起きていた。


 「美樹ちゃんに話したい事があるんだけど、今いいかな?」


 「なに?」


 「学校の事…。本当にもういかないつもりなの?」


 「…うん、行かない…。早く働きたいの。そうすれば

 自分の事、自分で決めれるでしょ。もう、決めた事なの。

 瑠理さんの家に来る前に決めたの。でも、親に言ったら、

 ここに来させないでしょ。」


 「…そう、もう変えられないんだね。わかった。

 もうこの話しはしない。」


 瑠理は、母親(瑠理の母)になんて言おうかちょっと

 思った…。



 ”仕方ないや、美樹ちゃんの人生だもんね”

 
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