ゴシップ・ガーデン
ヒオカ先生は、
あたしの頭から手を離して
肩をすくめて
苦笑いして言った。
「…ほんとうは、
嫌でしかたなかったんだよね、
バラなんて育てるの」
「…え?」
「…だってさ、
園芸なんてはじめてで、
新卒の新任だったから
断れなかっただけなんだ。
前任の先生が
咲かせてたバラは
すごい見事だとは思ってた。
でも自分が育てるって
なったら別問題」
いつもは口数の少ない
ヒオカ先生が
淡々と語り出した。
耳ざわりのいい、低い声。
「初めは、義務だったんだ。
育てることが
楽しくなってきたのは
つい最近かな。
一年目は、
葉が病気になって、
花も少なかったし。
このまま
枯れるんじゃないかって、
すごい怖かった。
2年目の秋に
やっと満開になってくれて、
やっと楽しくなってきた。
一緒に成長を見守ってくれて、
ありがとう」
「え?」
ありがとう?
どういうこと?
あたしの頭から手を離して
肩をすくめて
苦笑いして言った。
「…ほんとうは、
嫌でしかたなかったんだよね、
バラなんて育てるの」
「…え?」
「…だってさ、
園芸なんてはじめてで、
新卒の新任だったから
断れなかっただけなんだ。
前任の先生が
咲かせてたバラは
すごい見事だとは思ってた。
でも自分が育てるって
なったら別問題」
いつもは口数の少ない
ヒオカ先生が
淡々と語り出した。
耳ざわりのいい、低い声。
「初めは、義務だったんだ。
育てることが
楽しくなってきたのは
つい最近かな。
一年目は、
葉が病気になって、
花も少なかったし。
このまま
枯れるんじゃないかって、
すごい怖かった。
2年目の秋に
やっと満開になってくれて、
やっと楽しくなってきた。
一緒に成長を見守ってくれて、
ありがとう」
「え?」
ありがとう?
どういうこと?