ゴシップ・ガーデン

ドサリ、と
ブーケが落ちる音がした。



ゆっくりと目を閉じて、
腕の中で身をゆだねた。



ずっとこの瞬間を
待ってた。



他の、何も、
どうでもよくなった。


めまいがするほど
ドキドキする。




一度離れた唇は、

もう一度、

今度は深く重なった。










結婚パーティーは
無事に終了した。



新郎新婦とその友人たちは
このパーティーのあと、
二次会でもう一軒飲みに行くみたい。



未成年のあたしは、
千早と一緒に千早ん家に行く。



千早のお父さんが
車で迎えにきてくれた。



邸宅レストランの前で、
千夏姉はあたしを抱きしめて言った。


「シイナ、来てくれてありがとう」


「あたしこそありがとう。
千夏姉、お幸せに」


千早に続いて
あたしは車に乗りこんだ。




千夏姉の友人たちの中に
ヒオカ先生の姿を見た。



ヒオカ先生も二次会に行く。

あの可愛い女の人も一緒だ。



二次会に向かう人の群れと、
車が反対方向に出発した。



車が角を曲がる前、
ヒオカ先生と目があった気がした。