亡國の孤城Ⅱ ~デイファレト・無人の玉座~
……胸の奥の辺りかしら。
あたしの何もかもを支えていた、芯みたいなものがすっかり消えてしまっていて。
凄く、軽い。
抜け殻みたいに、軽い。
物凄く、軽くてね。
(―――………ごめんなさい…皆、ごめん…)
お父様の代わりとして長になった、成り上がりのあたしなんかについて来てくれた、赤槍の皆。
ごめん。
ごめんね。
許して。
ごめん。
もっとちゃんと…話をしたかったわ………オルディオ。
レヴィ…。
ロキ…。
……赤はもう、駄目。…白と黒の槍だけで頑張ってちょうだい。
………大丈夫よ…あんた達コンビなら、何だって出来るわ。
ごめん。
許してね。
許して下さい。
「―――………お父…様…」
夜の帳の遥か彼方を、ドールは見上げた。
空を裂く小さな音。ゼオスが剣を振るったのが分かった。
さて、切られるのは右手の指だろうか。
鎚を握る左手の指だろうか。
どっちでも、いいか。
来るべき痛みを待つかの様に、ドールはそっと目を瞑った。
空を切る、風に混じった音色。
ああ、来るな…と覚悟したドールの身体に走ったのは。
痛み、ではなく。
体当たりされた時の様な、衝撃だった。