亡國の孤城Ⅱ ~デイファレト・無人の玉座~
ちっとも相手にしようとしないアイラは、煙管をくわえて外に向かって煙を吹いた。
…切れ長の美しい…そして何処か虚ろな瞳は……カイを映そうとはしなかった。
「―――………………もう、いいんだよ…カイ。………もういい。………何がどうなろうと………………流れるまま、流されていこうじゃないか…」
「………アイラ…様…」
…グッと唇を噛み締め、カイは再度頭を下げた。
長い緑の髪が、波紋の様に床に垂れる。
「………どうか………どうか…御命令を…!…この、カイめに………御命令を…!!………アイラ様…アイラ、様………」
「―――………もういいから。何もしないで……私はもう………その時が来るまで…」
目を、閉じよう。
その時が、来るまで。