ツインの絆
「あの… 」
「すみません、こんな時間に…
大輔さんから週末ぐらいならと言われていましたので、
思い切って電話しました。
あの時は有難うございました。
このところ姿が見えなかったので心配だったのですが。
あの… 本当に日曜日、一緒に行ってくださいますか。
私、そう言う試合、見たことがありませんので…
なんかとても楽しみな気持ちです。」
「僕なんか… 僕は… 」
孝輔は相手が誰かは分かったが、言葉がうまく出なかった。
父や大輔が聞いていると言う事もだが、
とにかく自分に自信が無かった。
まだアキの事が出回っていないが、
その内には何らかの形で人の口に上がるだろう。
覚悟はしているが…
そうなれば彼女だって僕と一緒に行動する事を嫌がるはずだ。
まだ知らないから、ただ助けてもらった、と思っているからこうして…
「孝輔、何しているんだ。
坂上さんは俺の試合を見に来たいと言っているのだぞ。
お前もさっき来ると言ったじゃあないか。
だから一緒に連れて来てくれ、って言うだけなのに。
彼女が一緒だと嫌なのか。俺は一人でも多くの応援者がいたほうが嬉しい。
広志さんが来てくれるから、
一緒に乗せてきてもらえばいいじゃあないか。」
「う、うん。 あの…
その前にちょっとお話したいのですが…
明日、土曜日はお休みですか。」
変な質問のようだが、公立の学校は休みでも
孝輔が通っていた私学は休みではなかった。
それでつい確認の言葉が出ている。
「ええ、休みです。」
「そうですか。それでは申し訳ありませんが…
すみません。 僕は今一人で外出するのを躊躇っていますので、
理由は明日お話します。
それで僕の家にいらしてくださいませんか。
あ、家と言いましても… 」