ツインの絆
「そうだけど… あの声援や、はしゃぎ方は和ちゃんと同じだった。
俺、闘いながら聞こえたから笑いそうになって困った。」
そう言いながら大輔はまた、ふ・ふ・ふ・と笑いを堪えるようにして笑っている。
「大輔。」
そう言った時、自分がどこにいるのか思いだした孝輔。
いきなり恥ずかしい気持ちに襲われ…
慌てて広志や春香のいる後部席へと戻った.
「孝輔、湿布ありがとう。午後も見てくれよな。」
後ろから大輔の大きな声が追いかけて来た。
高校剣道三河地区大会の結果は、
個人戦の優勝者はもちろん野崎大輔。
団体戦も西部高校は大輔の活躍で四位に入った。
これで次は来月、名古屋体育館で行われる県大会に個人、団体共に出場が決った。
県立岡崎西部高校としては創立以来の快挙、とあって翌日から数日間はその話で持ちきりだった。
もちろん、新聞の地方版には剣道着を着た大輔の晴れがましい姿が載った。
「大輔、優勝おめでとう。お前、強くなったのだってねえ。
さっき広志ちゃんが言っていたよ。
孝輔が応援に行ったのだねえ。私も行きたかったよ。」
曾祖母の朝子が皆を代表するように、
夕食の膳が並んだ席で、顔をほころばせて大輔に喜びの心を送っている。
「すげえ。今日はご馳走だなあ。」
大輔は照れくさいのか、テーブルに並んだ料理を大袈裟に褒めた。
「そうよ。今日は大輔の優勝祝いと孝輔の転校祝い。
今までは名古屋まで通うのに心配していたけど、
岡崎の高校にかわってくれるから私たちも安心。ねえ、おばあちゃん。」
祖母の春子が嬉しそうな笑みを浮かべて朝子の気持と同じだ、と言うように念押しの言葉をかけながら二人を見ている。