ツインの絆

「多分お前は,真理子のふしだらな様子をいろいろな面から聞いていたのだろう。
そしてどうしても許せないほど真理子を嫌っている。
真理子の先に千草が見えているのかも知れん。

和也が中学の頃そんな事を言っていた。
受験を前にしてもめた事があるだろ。
真理子は千草と一緒になって和也をけなしていた。

まあ、和也も泣き寝入りするタイプではなかったが、
真理ちゃんはあの人に声もそっくり、いつも僕を赤ちゃん扱いして馬鹿にする、
僕は大嫌いだよ、これから先も、ずっと嫌いだよ、と言っていた。

確かに真理子は千草のコピーのようだったから
お前も腹に据えかねていた事もあったのだろう。」



父は自分の気持ちを話し、大輔の気持を気にしている。


孝輔は… 何も言えなかった。


そんな事を大輔が感じていたとしても、自分は母たちの後に付いていたのだ。


双子と言ってもその頃は感じ方が違っていた。


表面上の大輔しか見ていなかったから、心の闇など考えた事も無かった。


母が死んでいろいろな事が明るみになり、
初めて大輔と双子と言う事を意識した。


二人で頑張ろう、と言葉に出して今日まで来た。


それだって、大輔が、泣いていた自分を励ますように言い出した事だった。


一緒に受験勉強をして… お互いの希望通りの学校に入れた。


もっとも自分は一年余りで退学になってしまったが… 



孝輔は自分が言い出した真理子の事など忘れて、大輔の気持を考えている。


自分はどうしようも無い人間だが、大輔が居れば強くなれるように感じている。


こうして大輔の深層を知り… 
あまりにも考えなかった大輔の深層心理に、申し訳ないような苦痛を感じている。
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