ツインの絆
「それで父さんは何と言ったの。」
二人は興味心に押し潰されそうな気持を隠して一緒に声を出している。
「そんな事、できる訳が無いだろう。勿論断わったさ。
しかし、あいつ、どうも納得していないようだった。
生まれるのはまだ先のことだから… 予定日は12月20日だ。
12月の初めには和也の卒業式があり俺はニューヨークへ行く事になっている。
それまでは悟も向こうに居るらしい。
それで今年の年末年始は和也も悟も日本に戻って来る事になっている。
広志の奴、赤ちゃんを悟や和也が狙うから、僕に一番の優先権がある、と言う事を忘れないでくれ、と言っていた。
お前たち、どういうことか分るか。
あいつら、赤ん坊をまるで犬や猫の子と同じように考えているようだ。
お前たちは知らないだろうが、二年前、
リックを悟がアメリカから連れて来た時もあの三人は揉めていた。
あきらが引き取らなければ自分たちの子供にする、と言って取り合っていた。
慌てたあきらが、自分の子だからお前たちは兄ちゃんだ、とか言って治めていたが…
あの時など水島さんだけではなく職人たちもあきれていた。
と言う事を思い出せば、広志が本気でそう思っているようにも感じられる。
どうもなあ… いつもはいい子なのだが… 」
と、話しながら、父もおかしい話だ、と感じたらしく言葉を止めて二人の顔を見ている。
二人からまともな意見が聞きたい、とその顔は言っている。
確かにそんな話を他人が聞いたらどう思うか。
「おかしいよ。広志さんだってまだ早いのに…
悟さんのことは分らないけど、和ちゃんはまだ自分のことだって… 」
「そうだよ。どう考えても和ちゃんには… なあ。」
どう考えても、いくら20歳になっているとは言え、
和也が赤ちゃんをあやす姿など想像出来ない。
二年前のことは知らないけど、
和也はただ広志や悟が欲しいと言えば同じように欲しがっているだけのように思える。
10月に17歳になる自分たちのほうが余程まともな人種に思える。