君に幸せの唄を奏でよう。



「そうだ。今日、大学の友達と花火をするんだけど、良かったら唄ちゃん達も来ない?」

草野さんが、誘ってきた。

楽しそう♪だけど、皆はどうだろ……。

「行きます」

えッ?!

亮太が、草野さんに言った。

「是非、行かせて下さい」
「行きたいです」

亮太に続いて、浩ちゃんと佳奈も言った。

「いいよな?」

亮太が、聞いてきた。

「…うん。あたしも行きたいです」
「良かった。じゃあ、7時に土手でいいかな?」
「「「「はい」」」」
「よし。じゃあ、また後で」

草野さんと別れ、あたし達は店を出た。

「皆、どうしたの?ためらいもなく返事して?」

疑問に思い、皆に聞いた。

「お前に元気になってもらいたくて」
「え……?」

亮太の言葉を聞き、驚いた。

「なんか、悩んでるんだろ?」

さすが、浩ちゃん…。察しがいい。

「唄ちゃん、無理しないでね」

佳奈が、心配しながら言ってきた。

「ありがとう。でも、大丈夫-」
「「じゃないだろ」」
「ないでしょ」

皆に言われた。

「話したい時は、いつでも聞いてやるから。よし。浩平の家に行くか!」
「それは、僕の台詞なんだけど」
「唄ちゃん、早く!」

あたしにそう言い残し、皆は先に行った。

あたし、ごまかすの下手になったのかな…?

自分に疑問をもちながらも、亮太たちの後を追いかけた。


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