君に幸せの唄を奏でよう。
「終わった~!じゃ、今からダッシュで職員室に行ってきます!」
そして放課後。今から、鈴木先生の所に課題を取りに行かないといけない。
「俺達は下駄箱で待ってるから、早く来いよ」
「唄希ちゃん行ってらっしゃい…」
「佳奈なんかあった?」
どこか、元気のない佳奈が心配になって声をかける。
「ううん。なにもないよ。…掃除の時、先生に頼まれて荷物を運んで疲れちゃったの」
「そう。ならいいんだけど」
不自然な態度をとる佳奈に疑問をもったけど、これ以上を聞くのをやめて佳奈の言葉を信じることにした。
「じゃあ、みんな行って来るね」
あたしは、下駄箱を後にして急いで職員室に向う。
ど、どうしよう……!
今、職員室のドアの前に立っている。さっきから、緊張してドアを開けられない。だけど、このままじゃあ時間が経つばかりで、ライブの打ち合わせが出来なくなる。さっさと、用を済ませて亮太達の所へ行こう。
意を決してドアに手をかけた時---。
「何やってるんだ。高橋」
「ぎゃッ!?」
突然、背後から声をかけられたせいで変な声を出してしまう。恐る恐る振り返ってみると、片手に教科書を持つ鈴木先生がいた。
「なんだ先生か~。ビックリした~」
「お前は、俺をなんだと思っているんだ?ん?」
先生は、あたしを睨み付ける。幻覚を見ているのか、背後に般若らしき物が現れて、般若もじろりと睨む。
「先生は、あたしの大好きな先生です!」
「うそつけッ!」
先生は、持っていた教科書を瞬時に丸めて頭を叩いてきた。く、悔しい!二回も叩かれた~!痛みと屈辱に耐えながら、先生を見つめる。
「はぁ…何でお前と同じやり取りをしないといけないんだ?」
先生が溜め息をつき、呆れた目を向けてくる。
それは、こっちの台詞よ!
「まぁいい。とりあえず入れ」
「し、失礼します」
先生の後について、職員室に入った。そのまま、互いに何も言わず鈴木先生の机へと向かう。