君に幸せの唄を奏でよう。
俺がそう言うと、高橋の顔は“こいつ、橘 奏なの?!”という顔をしていた。
「…今、変なこと考えてただろ?」
俺は、少し睨みながら言った。
「いえ!滅相もございません!」
図星だな……。
けど、高橋が驚くのも無理もない。
俺は、お前に散々酷い事を言っては傷つけてきた。
そんな奴から、いきなり謝られたら驚くに決まってる。
俺は、気を引きしめ話し始めた。
「…お前と初めて会った時に言っただろ?傷つけて悪かった」
俺は、頭を下げながらもう一度謝った。
これで、許してもらおうなんて思ってない。
ただ、俺の気持ちが少しでも、お前に伝わればそれだけでいい。
「…だ、大丈夫よ!全然気にしてないわよ!」
高橋が、気を遣って言っているのが分かった。
「…そうか」
気を遣って言ってくれているのが分かっていても、俺はその言葉を聞き安心した。