君に幸せの唄を奏でよう。
「あ、あたし?!」
「お前しか居ないだろ」
何故か、高橋は驚いていた。
「なんで、そんなに驚くんだ?」
俺は、不思議に思ったので聞いた。
「だって、初めて呼ばれたからビックリして」
俺は、高橋の言葉を聞いて逆に驚いた。
そうか、俺はこんなにもお前の事をちゃんと“見ていなかった”のか…。
いや、俺は逃げてたんだ。“あの頃の俺”とお前を重ねていたから--。
「…そうだな。はじめて、呼んだな」
自分の弱さを知り、虚しくなり少し笑ってしまった。
「で、は、話ってなに?」
何故か、高橋の顔が少し紅くなっていた。
そして、高橋に言われ目的を思い出した。
そうだ。俺は、言わないといけない。何故か、緊張し始めた。
「………かった」
「?」
自分でも、驚くぐらいの小さな声だった。
「ごめん。聞き取れなかったから、もう一回言って」
「……お前の歌を“不愉快”て言って悪かった」
今度は、少し大きな声で言った。思っていた以上に声を出せなかった。