先生の秘密
第二章 新任教師は数学担当


「………」


えっと…。


「ね、ね!?超かっこよかったでしょ!?」


興奮が冷めやらぬ様子のはつかの言葉は私の耳には入ってこなかった。


だって…だってさ…。


「…朝のお兄さんじゃん」


「朝?」


こんな偶然ってあるか?


新学期不良から助けてくれたお兄さんが実はウチに来る新任の先生でした?


セオリーすぎて笑えないよ!?


いまどきこんなベタな漫画もあんまりないよ!?


そもそも私は平凡だけが取り柄なんだよ。


少女漫画で言うと台詞が一言くらいしかでないただのクラスメートAだよ。


そんな私が…アハハ、ないない。


よし、現実逃避の旅に出よう。



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