好きだから、涙が出る
「二人って、付き合ってるの?」

何度もきかれた。
耳にたこができるくらい、女子にも男子にも。


そのたびにミキは決まって同じことを言う。


「違うって。あたしとキョウタは親友なの」


男と女の友情なんて成立しない、とミキの友達のハルコはいつも言っていた。


だけど、違うんだ。

あたしとキョウタは関係は親友としか言い切れない。
恋愛要素がないんだ。
恋愛に発展する要素がなにもない。

ほんとうにそう思っていた。
少なくとも、ミキには恋愛感情がないのだから。



「おまたせー」


下駄箱によりかかって、ずっと考えていた。


「先生の話、けっこう長かったみたいじゃん。なに、掃除サボってるのばれたとか」


キョウタはどう思っているんだろう。
あたしとの関係を、どう考えているのだろう。

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