好きだから、涙が出る
「志望校・・・」


長いため息をつく。

体中の力がぬけた。
いまのあたしは脱力という言葉が本気で似合うのではないかと思ってしまうくらい、脱力した。


「どしたよ、ミキ」


ドキドキして損した。

ていうかなんであたしはあんなにもドキドキしたのかな。
する必要なんてないはずなのに。


肩を落とすミキを不思議に思ったキョウタはミキの頭に手を置いた。


「なによ」

「はははっ、お前もどうせ志望校きまってないんだろ?だから、そろそろ考えないと」



あぁそういうこと、といってからもう一度ため息をついた。


なんなんだろう。
あたしはどうしたいのだろうか。


キョウタに別れを告げてから、ミキはひとりでつぶやいた。



「あたしは、どうすればいいんだよ」
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