傷の行方

絶望の音

「何をいつまで待てといってんだよ


お前おかしいだろうが


売られた喧嘩は買ってやるよ


買ったからには負けてはいけない


ねぇ 私をなめるとどうなるか


耳が聞こえたら教えてあげる


目が見えたら見せてあげる


でも 耳も目も役にたたないかもね


お前とお前の彼女の身の安全を



考えて行動しやがれ」


と電話の向こうの主任に聞こえるように言った



そして手元のグラスを床に叩きつけ


私の大切に守ってきたものが


キレイに壊れていくように


ガラスが飛び散った


鞄を持ってお店をでようとすると


上司は私の腕をつかんだ


この会社の上司には父親のことや


今までのことをすべて話していた


だから


「お前 まさか」と言った



「最終的には会社ごとね」と笑って



「どうか彼女や主任がもう二度と


私のことで何もしないことを祈っていてください



私は次は黙っていないですから」


と言って腕を振り払って帰った




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