傷の行方
彼の言葉
あの時 もっと早く



彼に会っていたら



私はきっとあんな無謀な



退職の仕方は しなかったろう



彼はいつも言っている



「人にされて嫌なことはしない


されて嬉しいことをしよう」



彼に惹かれたのは


様々な嫌なこと


人間関係


そして 愛とはほど遠い



恋愛を経験したからだと



わかっている


今では 苦い経験が



彼と出会わせてくれたと


思え 感謝さえしている



幸せになりたいとか


裕福になりたいとか



贅沢な欲は その頃も


そして今も ない



ただ “普通”とか


“一般的”と言われる


生活がしたかった


ただ それだけを望んでいた



それが 一番難しいということも



わからずに



心と身体がバラバラになっていく



崩れていく音が 聞こえるくらい



なぜ こんなことばかり


続くのか いつも不思議だった



悔しかった


そう考えている時にも



悲しみは容赦なく



私を追い込んでいった
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