桜ノ籠 -サクラノカゴ-
「カズ兄みたい……」
ポツリと呟く。
自分でも驚くほど、その名は、自然と出た。
そして思い出す、
カズ兄の言葉や
仕草、をーー
思わず、涙が溢れそうになると、
くしゃくしゃ
と、青磁先生が私の頭を、優しく、撫でてくれた。
「夕飯、何食べたい?」
青磁先生は紺色のシャツの袖を肘までまくり、冷蔵庫を開けた。
「あっ、わ、私作ります!」
私も水浅葱色のカットソーの袖をまくりながら、後を追う。
「私、お母さん程上手ではないですけど、ご飯作れます」
「お、頼もしいな。今日はとりあえず、さっき買ってきた物で作るとすると…、カレーか野菜炒めとか…」
「肉じゃがとか豚肉と茄子の味噌炒めとかも出来ますよ」
「お、味噌炒め、いいな。俺作った事ないから」
「じゃあ、豚肉と茄子の味噌炒めとポテトサラダにしましょう」