桜ノ籠 -サクラノカゴ-
夕ご飯の後、片付けが終わると、
「伽羅ちゃん、お風呂入っておいで」
青磁先生が、三日月の紙箱から煙草を1本取り出し、くわえた。
「いえ、青磁先生が先に…」
「俺はちょっと仕事。ゆっくり入っておいで」
そう言って微笑み、私様に用意してくれた部屋の向かいの部屋に入り、白い扉を閉めた。
私はお言葉に甘え、着替えを準備して、浴室に入った。
なんだか、
ドキドキした。
今までも、藤川家で、お風呂に入っていたのに、
青磁先生のこの家は、何もかもが新鮮で、
扉の向こうに青磁先生がいると思うと、
今までとはどこか違う、
何かが、
心を揺り動かす。
そんな気がした。