桜ノ籠 -サクラノカゴ-

 ♢


遠く、

遠くで、

扉の閉まる音が、聞こえた気がした。


それが夢なのか、現実なのかは
わからない。



目を覚ますのが、


怖い。




扉の閉まる音、



それは、

別れを告げる音。




『行ってくる。すぐ戻るよ、伽羅のもとへ』


そう言ったカズ兄は、


戻ることはなく、






紅い葉とともに、



散った。





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