桜ノ籠 -サクラノカゴ-

「…いいから!早く、行ってー…」

言葉とともに、
カズ兄を玄関に押しやる。

思ってもいない、言葉とともにー…。


「このままの伽羅残して、行けないだろ」
「なんで?行って、行ってよー」

「行けない」
「なんで?なんでよ!?」

グイ、

ーーえ?


気付くと、
私はカズ兄の腕に抱きしめられていた。



「…行けない。伽羅が…伽羅が、大事だから…好きだから」


す、き?

カズ兄が、私を?




「…じょ、冗談は、やめて。泣いてるからって、そんなこと言わないでー…」

震える、私の声と体。


「信じろよ。オレは伽羅が好きだ」


はっきりと、言葉にするカズ兄。



うそ

うそ


だって、



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