桜ノ籠 -サクラノカゴ-
ずっと、カズ兄の棺のそばにいて、
動く事が出来なくて、

どうしても、
どうしても、
火葬場にはいけなかった。

いきたくなかった。


でも、
納骨するその時は、
お母さんが私をつれていった。

その時はつらくて、
ただ、
ただ
つらくて、

支えられて立っているのがやっとだった。


近くで、お母さんが白い布に包まれたものを、
開かれた墓石の下に納めているのを
ぼんやり、見ていた。


手を伸ばせば触れる事が出来る距離のはずなのに、
遠く、
遠く、感じた。

夢のように、
感じた。




< 365 / 467 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop